子育てネットワークと子育てサークルの違いとは?(子育てネットワークに参加するメリット、問題点もご紹介!)

   

子育てネットワークメリット問題点

子育てネットワークって何?

少子化や核家族化などに加えて、長時間労働が当たり前の日本では、子育てをママが独りで引き受けている状況は珍しくありません。

 

都市化した場所では地域のつながりも薄く、公園デビューが話題になったように、対人関係の問題で親子が引きこもりとなってしまうケースも見受けられます。

 

子育てへのプレッシャーは大きなストレスとなります。

その積み重ねの結果、虐待や育児放棄へと繋がりかねません。

 

子育てを親だけの責任にしている限りは、少子化も子育てしやすい社会の実現も解決しません。

 

社会全体が子育てに責任を持つような意識や制度といったシステムを作らなければ、何も変わりません。

 

子育てネットワークとは、子育て問題解決のための、社会全体のシステム構築作りの活動です。

 

ママによっては、対人関係が苦手だったり、子育てに自信が持てなかったり、子どもの発育への不安はもとより、友達が欲しい、託児出来るのであれば学習したい、地域の子育て情報がほしい、などの悩みを抱えています。

 

そういったママのために、子育てネットワークがあります。

 

子育てネットワークは、独りぼっちのママや、行き詰ってしまったママたちの状況を変えるためにも、ママ同士がつながり、地域や行政とも連携して活動しています。

 

地域子育て支援センターは子育てネットワークの1つです。

 

似たようなものに、子育てサークルがあります。

子育てサークルと子育てネットワークはどこが違うのでしょうか。

 

子育てサークルとは、集まった会員が外遊び、親子体操、悩み相談、食べ物について学んだり作ってみたり、とグループで子育てをすることによって、子どももママも楽しい子育てをすることが目的です。

言ってみれば、仲良しクラブ的な活動ですので、参加者の個人的欲求を満たしてくれます。

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一方、子育てネットワークとは、子育てママや地域と行政など、それぞれがそれぞれの立場でやらなければならない課題に取り組んでいく活動をします。

親子で社会参加をする場所であり、社会的欲求を満たすための場なのです。

子育てしやすい社会にするにはどうすればよいかを考え、学び、実行していくことを目的としています。

 

子育てネットワークは、まちづくり、文化、医療福祉、ジェンダー、政策、遊びなど幅広い視点で活動していきます。

 

 

子育てネットワークに参加するメリットについて

 

子育てネットワークに参加するママ達の参加理由を見ると、

 

  • ママ自身のストレスや孤立した子育て環境を何とかしたかった
  • 子どもの発達のために文化や交流が必要だと思った
  • 講習会や学習会で専門家の意見を聞きたかった

 

他、子育て中の自分でも出来ること、ママとしてだけではなく一個人として参加できること、親子で社会参加がしたかったなどの意見がありました。

 

実際に参加してみて、どんなメリットがあったでしょうか。

以下多い順に並べてみました。

 

  • 親の交流や友達作り
  • 子ども同士の交流
  • 地域の子育て情報共有
  • ママ同士の悩み相談
  • 育児ストレスの発散
  • 社会性や視野の広がり
  • 子育てが楽しくなった
  • 地域交流
  • 人の出会いに刺激
  • 育児知識の習得
  • 保育技術の習得
  • 子育て苦労を共有
  • 活動に意義を感じた

 

メリットの中にある、「社会性や視野の広がり」「子育てが楽しくなった」「人との出会いに刺激」などの意見が、子育てサークルとの違いがはっきりしている部分です。

 

子育てネットワークの方が学習の機会がより多くあるためだと思われます。

 

その他、知的好奇心の向上、パソコン技能の上達、本音で語れる場、託児があったこと、子どもの発達不安の解消、子育てに真剣に取り組めるようになった、転勤や引越の孤立解消、生活にメリハリが出た、子どもの良い面に気付く、子どもの知らない一面を知る、人とのつながりの大切さ、同じ悩みを共有できる、といった意見がありました。

 

 

子育てネットワークの問題点について

子育てネットワークは、社会的欲求を満たすためのものなので、どういった活動をするのかを明確にしなければなりません。

 

そうなると問題が出てくるのは運営面です。

 

活動におけるデメリットを見ると、忙しい、子どもにしわ寄せがいく、家事がおろそかになる、出費が増えたなど運営スタッフの負担感に対する意見が多くみられます。

特に多かった問題点は、

 

1.運営スタッフの人材不足

やはり、スタッフになりたがらないママは多いようです。

また参加者の参加期間がほぼ子どもの幼稚園入園前までなので、活動成果を上げるまでの時間としては短く、後継者不足が深刻なようです。

 

2.イベント屋

イベント的な事業も多くあるため、会議では、実行委員を決め、チラシや申込書を作成し、立案、実働、結果報告とやることがたくさんあります。

子どもをあやしながら会議を進めることも難しく、イベント屋みたいだとの声もあがっています。

特にキーマンの負担は大きく、自分の子どもを犠牲にすることも多く、なんのために頑張っているのか分からなくなってしまうようです。

 

3.家庭の負担増大

家事につけが回ってしまうことはある程度仕方がなくとも、子どもが病気になった時でも、責任があるために動かなくてはいけないので大変です。

 

パパからは主婦の道楽と見られ、家事がおろそかになったことへの不満を言われる場合もあるようです。

 

子育てネットワークに大きな理想があっても、子育てにてんやわんやの状態では、何のために活動しているのか分からなくなってしまうママも多く、子育てネットワークを作る上で一番の基盤であるママ達の広がりが今一つ欠けている状況も課題の1つです。

 

ただ、子育てネットワーク参加者の生涯学習意欲は高く、学習したい内容についても、子育てネット活動、子ども文化や育成活動、ボランティア、地域活動など、子育てネットワークをすすめる上での人材となる可能性を秘めたものが多数あります。

 

子どもが育つ時には、子ども自身の発達とともに、親が親として成長していくことが必要です。

 

親は、子どもの育ちに何が必要であるかを生活体験により学びます。

子育てネットワークは、となります。

生活体験学習の一部

生活体験学習とは、以下のような流れで進みます。

 

1.子育て問題に直面する

2.子育てネットワークなど集いの場へ参加

3.子育て学習体験

4.子育てネットワーク活動

5.地域コミュニティとのつながり

6.まちおこし、まちづくり

 

今後は、小学校のPTAや子ども会などともつながりを作り、更に社会の一員として地域コミュニティを形成することを学んでいくことが期待されます

 

子どもの将来のために、楽しく子育てが出来る社会に変えていけるような手助けができたら嬉しいですよね。

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参考URL

子育て支援ネットワーク

・日本生活体験学習学会誌 創刊号 71-80(2001)

『子育てネットワークの必要性と課題』相戸晴子著

 

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