シングルママ家庭の貧困が急増していることを知っていましたか?(シングルママの不安や悩みのまとめ)
急増するシングルママ家庭の貧困について
厚生労働省の2012年度国民生活基礎調査の結果、17歳以下の子どもの貧困率は16.3%と過去最高を更新しました。
子どもの貧困率は、1985年の10.9%から一貫して増え続けています。
ひとり親家庭の貧困率は54.6%ととても高い数値です。
ちなみに大人が2人いる世帯の貧困率は12.4%です。
これらの貧困率は相対的貧困率です。
相対的貧困率とは、所得の中央値の半分を下回っている世帯の割合です。
つまり、その国の所得格差を表している数字です。
以下は、内閣府が出している『子ども・若者白書』の平成26年度版に相対的貧困率の国際比較(2010年)の表です。
2009年度調査の結果なので数値が若干違いますが諸社外国の中での日本の状況は分かります。
(内閣府 平成26年度版子ども・若者白書 第3節子どもの貧困 第1-3-39図より抜粋)
OECD35か国のうちラトビア以外の34か国の順位です。
下に行くほど貧困率が高いことを表しています。
日本はどの項目もOECDの平均値よりも貧困率が高いですが、注目すべきはひとり親世帯です。
韓国は数値が不明なので除外すると、33か国中で1番貧困率が高いのです。
しかも、50%以上と半数を超えているのは日本だけです。
GDP世界第3位の経済大国日本なのに貧困率が高いなんて、びっくりですよね。
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日本のひとり親家庭の貧困率の高さは、結局のところ母子家庭の貧困率の高さです。
母子家庭の就業率は80.6%ですが、これは諸外国より高い数値のようです。
しかし、その内非正規雇用は57.0%と半数以上です。
非正規雇用の収入の低さが、貧困率に反映しています。
母子家庭全体の平均年収は181万円ですが、その内正規雇用の平均収入は270万円です。
非正規雇用だけを見ると125万円です。正にワーキングプアです。
シングルママが抱える不安や悩みについて
日本ではとくに女性の収入は男性の7割ほどと低く抑えられがちなので、シングルマザーは経済的な面で生活や将来の不安を抱えています。
経済的不安で特に問題なのは子どもの教育に十分なお金をかけられないことで、それはそのまま子どもの将来への不安ともなります。
事実、母子家庭の進学率は低くなっています。
経済的格差による教育格差を少なくするために、給付支援金があります。
保護者の市町村民税所得割額が30万4200円未満の場合、国から高等学校就学支援金を受け取ることが出来ます。
もらえる金額は収入によって違いますので、参考までに高等学校就学支援金リーフレットの該当部分を記載します。
(文部科学省 高等学校等就学支援金リーフレットより一部抜粋)
また、独自の奨学金制度を行なっている地方自治体もあります。
こういった奨学給付金は申請をしないと貰えません。
奨学金には返済が必要なものと不要なものがあります。
お住まいの市町村役場のホームページで探すか、問い合わせをして確認してみてください。
大学生向けには、大学自体が行っている給付奨学金や、一般企業が行っているJT国内大学奨学金や財団法人岩国育英財団などもあります。
大学が行っている奨学金には、予約給付型奨学金というあらかじめ大学に申請をしておけば、合格した時に奨学金支給が決定するタイプもあります。
もちろん入学しない限りは貰えません。
シングルママの不安や悩みは経済的な問題だけではありません。
世間の偏見や差別の目にさらされることは少なくないです。
子どもをかわいそうな子扱いされることにイラっときても、父親の必要性はどうしても考えてしまいます。
子どもが大きくなっていくにつれ、より一層、父性的役割の必要性を感じるかもしれません。
単純に、全てを自分一人でやらなくてはならない辛さもあります。
毎日働いて帰って来て家の中のことをやって、休日にはたまった家事も子どもを遊びに連れて行ってあげることも、ママひとりでやらなくてはなりません。
美容院でも歯医者でもそうそうゆっくりはできません。
子どもにとっては唯一の保護者であり、責任者だからです。
どんな時でも誰にも代わってもらえない現実は、辛いものです。
父親的役割と母親的役割のどっちもこなせているかを不安に思うこともあるでしょう。
とにかく無理はしないでください。
ママの笑顔が子どもを笑顔にします。
大変だった日々も過ぎてしまえば、良い思い出と思える日はきっときます。
明けない夜はありません。
シングルママが注意しなければいけないことについて
シングルママと子どもだけの家庭では、親子の結びつきが強くなりがちです。
とても素敵なことではあるのですが、子どもの成長とともに親離れ子離れへの努力は、パパとママのいる家庭よりも必要かもしれません。
特に男の子はママ大好き度合が高い傾向にあるので、注意が必要です。
大人になってもマザコンの度合いが強いと、結婚して子ども自身の家庭を築く時に問題が出る恐れがあります。
シングルママが気を付けなくてはいけないことに、恋愛があります。
シングルだから恋愛は自由ですが、子どものことがあります。
せっかく縁あって付き合えた男性でも、子どもを交えた家族になれるとは限りません。
恋愛だけなら自己責任ですみますが、シングルママ家庭では子どもにも影響があります。
子連れ再婚によって血縁のない親子関係がある家族のことを「ステップファミリー」といいます。
ステップファミリーは、今後ますます増加傾向にあるようです。
支援団体もあります。
再婚のメリットは、パートナーが出来ること、経済的に安定すること、一般的な家族の形がとれることがあげられます。
お付き合いしている人と結婚も視野に入ってきた時、子どもがいると慎重になってしまうでしょう。
自分との相性が良くても、子どもと相性が良いとは限りません。
子どもは小さければ小さいほど、男の人よりも女の人の方が好きです。
男の人の声のトーンや大きさに、ともすれば怒られているような気持になり、圧力を感じるそうです。
シングルママの方がシングルパパよりも再婚が難しいとしたら、新たに来る相手が男の人であることも理由の1つだと思います。
シングルママの再婚は子どもに理解してもらわなくてはなりませんし、相手を家族としてしっかり見極めるのに時間をかける必要があります。
ママを取られるというやきもちだけで、激しく反対する子もいます。
反対する理由がやきもちだけならば、子どもの気持ちだけに全面的に寄り添う必要はないでしょう。
一番幸せの総量が多くなるためにどの方向へ進むべきか、真剣に考えていると必ず答えは見つかります。
子どもだけではなく、自分だけではなく、子どもも自分も周りも「三方よし」となるような方向へ進めるよう頑張りましょう。
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参考URL
- 厚生労働省 ひとり親家庭等の現状について 平成27年4月20日
- 内閣府 平成26年度版子ども・若者白書 第3節子どもの貧困
- 文部科学省 高等学校等就学支援金
- JT奨学財団
- 岩國育英財団
- 損保ジャパン日本興亜環境財団